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作り手の主張を伝えることこそドキュメンタリーの本質。 そういう意味ではよくできた作品である。
多く謎を秘めたエジプトのピラミッド。 いつ、誰が、何のために、そしてどうやって作ったのか。 歴史学者たちが解き明かし、定説とされていることは真実なのか。 本作はその謎に迫り、驚愕の説を唱えるフランスのドキュメンタリーである。 ちなみにナレーションやインタビューは日本語に吹き替えられている。 ヨーロッパのドキュメンタリーはテンポが悪く間延び感で退屈してしまうことが多いが本作は違う。 物凄い情報量が矢継ぎ早に語られるので、前半は正直堂々巡りな感もあるが、むしろそれが頭を整理するのにちょうど良く思えるほどだ。
本作で重く取り上げているのは「どうやって作ったのか」。 「ギザのピラミッド」と呼ばれるものに使われている石の数は200万個。 歴史学者たちはそれが20年で建設されたとしているが、それだと1日12時間作業しても1個当たりの作業時間は2分30秒。 1日24時間作業したり、何ヶ所か同時に作業したとしても、あれほど精密な建造物を当時の設備だけで20年で建設したというのはさすがに無理があるだろう。 古代の歴史は実ははっきりしているわけではなく、数少ない文献などから「推測」されているに過ぎなく、紀元前何百年レベルになると実際のところよくわからないそうだ。 20年ではないにしても石の積み上げ方や方位や水平度などの精密さは、現代の建築技術でも難しいそうだ。
またピラミッドの寸法を解析するとπ(円周率)やφ(黄金数)といった定数が出てくる。 πが出てくるのはあの作り方なら当たり前なのだが、ピラミッド底面の内接円と外接円の円周の差は光の速度を表す数値に極めて近い数字が出てくる。 これらを「偶然」「こじつけ」「数字遊び」と片付けることは簡単である。 だが多少の学がある人ならば、これがそれだけで片付けられないことはわかるだろう。
また本作で取り上げている古代遺跡はピラミッドだけではない。 世界各地に点在する古代遺跡の多くはわずか100キロの幅に集中して地球を1周している。 1000キロと言われれば突っ込みたくなるが、わずか100キロである。 これらは一体何を意味しているのか。
本作はある驚愕の説を唱える。 こんな方法ならこうやってできちゃうんですよ、という方法論? 例えば本作にも出てくる「ナスカの地上絵」は実は頑張ればできちゃうのだが。 そういうものを期待していたのだが違う。
地球外生命体? いやそういう説でもない。
本作が唱えるのは「超古代文明説」である。 人類が誕生する遥か以前に高度な技術を持った文明が存在したというのである。 例えば現人類が滅亡した場合、わずか数百年で人類の痕跡は消え、残るのはピラミッドなどの石造建築だけらしい。 もうちょっとなんか残るんでない?と私は思うのだが、これは本作以外の研究でも言われていることである。
では何によってその古代の「人類」は滅んだのか。 本作は「ポールシフト」説を唱えている。 本作中に「ポールシフト」という言葉は出てこないが、地軸移動という現象である。 地球誕生以来、過去に何度も起こった現象であるが、これが起こると壮絶な天変地異に見舞われる。 そしてある期間、地球の磁気は失われる。
ポールシフトのことはわかっていたが、「磁気の喪失」については本作を見て初めて気付いた。 どうしてそんな当たり前のことに今まで気付かなかったか恥ずかしくなってしまった。
磁気が失われれば天変地異などおこらなくとも全生命体ほぼ滅亡は歴然。 これがこの先起こらないという保証はない。さすがに数万〜数百万年に一度の現象なので近い将来とは言えないが、もう絶対に起こらないという甘い考えは愚かである。
規模もレベルも違うが日本のフクシマというところでは、そういう甘い愚かな考えの人たちが原発を作っちゃったんだね。
では古代文明人たちは何をしたかったのか。 1977年に打ち上げられたボイジャーは、地球外生命体に発見されることを期待して様々な「メッセージ」を積んでいる。 それと同じことで、知的生命体が存在したことを我々、つまり後世の文明人類に伝えているということである。
もし今の人類が近い将来滅亡するとわかったらどうするだろうか。 言語が通じないのであれば似たようなものを残すのではないだろうか。 ただ、恐竜の化石まで出土するのだから、何かしら化石が出てきてもいいのでは?とも思うのだが・・・。
「こじつけ」と一笑に付すか、背筋を凍らせるかは貴方次第。 ちなみに私は後者である。
本作は非常に説得力のある語り口で作られており、ドキュメンタリーとしては非常に秀逸。 お勧めできる逸品である。
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