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アニメの楽しいところ。原点は、やっぱ絵がぐりぐり動くことだと思うんです。大人も子供もわいわいとね。それはOK。問題はそっから先、クリエイター達が「絵がぐりぐり動く」ことで何を表現するかってことですね。
これはもう監督の性向がダイレクトに影響します。特にアニメは俳優やロケ場所なんかに制約を受けませんから、金と時間さえコントロールすれば(まぁこれは実際のところ難しいでしょうが)監督の望む世界はかなり極限まで表現が可能です。 ではこの「宇宙ショーへようこそ」を作った人々の望みとはなんでしょうか。
自分がこの映画を見て感じたのは、
1.さまざまな性格の、幼い(小学生)キャラクターの喜怒哀楽を、アニメ表現を使って目一杯描きたい。でも女の子限定。 2.その幼女キャラクター達と恋に落ちたい。頼られたい。守りたい。いつかはさわりたい、チュッチュしたい、結婚したい。 3.そのままもうずっとその世界にいたい。
……うーん。
正直見ていてかなり引いたのは事実です。 けど、潔いといえば潔い。
ぶっちゃけ上のような性向は、主に十代の若年層をテーマに描くなら、宮崎アニメにだって見られる傾向です。ただ、本作はあまりにそれが露骨。 ロリコンだって、二次元世界を愛でることだって、それを文学的価値観に昇華できれば立派な芸術ですけれど、これはちょっと痛々しい。
物語のベースはおなじみ「銀河鉄道の夜」です。行って帰ってきて、少し成長する。定番ですが、外してはいない。 もっと脚本をしっかり練って、いわゆる物語性から切り込めるようなホンを書くこともできたと思うんです。 自分の好きなアニメは、例え上記のようなヨコシマな危うい性情を身の内に秘めていたとしても、「物語る」正当な熱情の縄でグリグリそれを縛りこんでなんとか抑え込んでいる作品です。 それでもにじみ出て来る汁ってあるわけで、そんな仄かな滴りにこそ神は宿ると思ってます。ダダ漏れてては、それはもはやドブ水となんら変わりない。 極北で魂の叫びを声高に謳うだけのものとなってしまった感がある本作ですが、そこをどうにかできていれば、また違った道もあったろうにと思います。
多分本作の方向性は、深夜放送か、あるいはOVAのような、最初からパッケージ化して特定層にアピールする類のものなんでしょうね。中学生が「同志」で楽しみあう、拾った秘密のエロ本みたいなもんです。 共有しあえる仲間たちとニヤニヤしながら、うしししし、と分かちあうものであって、広く観客を集って鑑賞するものではない。
自分はオヤジなのに今だにわざわざ劇場に行って見てるぐらいだし、かなり重度のオタクであることは自覚してます。 それでもちょっとついていけない部分がある。そんぐらい「コア」ですこの作品は。
アニメ版「時をかける少女」が成功して以来、いわゆるポスト宮崎、ポストジブリのパイを狙って様々な作品が作られてますが、これはなんというか、その波に便乗しながら、思いっきり真逆のベクトルで作られている。 そのあたりがいやらしいし、ちょっと残念に思いました。もっと正々堂々と、似合う舞台で馴染みの客を相手に勝負しても良かったのでは。
本作の監督は「かみちゅ!」あたりのさじ加減で作ると、一番広く世にうけるのではないかと思います。
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