Yahoo!映画
ログイン
IDでもっと便利に [ 新規取得 ]
Yahoo! JAPAN - ヘルプ
  • 映画検索
トップ ニュース インタビュー プレゼント
予告編(WMP)
300k | 1M

愛を読むひと

総合:
(5点満点中3.94点)
3.94

お気に入りレビュアーのレビューに変更

ヘルプ

みたい人:814

みた人:1073

ファン数:141

この作品を
「みたい」「みた」とき追加しようMyムービーに追加する

メニュー
作品トップ キャスト・スタッフ 解説・あらすじ フォトギャラリー ユーザーレビュー
上映中の映画館 DVDを借りる・買う オンラインシアターで見る

ユーザーレビューを投稿する

作品ユーザーレビュー

愛を読むひと

413件中1件目を表示しています。

[ 前のレビュー | 次のレビュー ]

行間を読む映画

採点:
(5点満点中4点)

投稿日時:2009/06/24 22:05:59 投稿者:spam_spam_egg_spamさん

役立ち度:54

アバター アバターとは?

spam_spam_egg_spamさん

詳細

投稿者 投稿者

平均 平均

グラフ

イメージワード

  • ・悲しい
  • ・知的
  • ・切ない

 これほど完成度が高く、かつ、評価や理解の難しい映画はないのではないか。

 主人公の気持ちが台詞で全くといっていいほど語られず、感情の露出した場面も少なければ、表情が崩れることも少ない。だから、主人公2人の感情がはっきりと理解できるという構成にはなっていない。次々訪れる出来事に、2人が何を考えたのか、説明はない。あるのは、その出来事を引き起こすことになる原因が、主人公それぞれの「固い意志」によるものであるという事実だけだ。その「固い意志」は、分かりやすく観賞者に示してはもらえない。だから私たち自身もreaderとならざるをえない。まさに、those who read between the lines(行間を読むひと)になることを要求されている。いや、read between the lines ではなく、read behind the lines(隠されたことを読む)といった方が近いかもしれない。難しいのはこのためだ。

 なぜ、30台半ばのハンナが、15歳の坊や(kid)であるマイケルを誘惑したのか。-(1)
 なぜ、法廷でハンナは自分の罪を、むしろ過大に受けることにしたのか。-(2)
 なぜ、マイケルはハンナの隠している秘密を公にして、ハンナの罪を軽減させなかったのか。-(3)
 なぜ、マイケルは再びreaderとなることにしたのか。-(4)
 なぜ、ハンナは自ら命を絶ったのか。-(5)

 いくつもの、「なぜ」が映画を見ながら沸いてくるが、その答えはどれも、行間を、言葉の裏を読み取ることを要求される。難易に多少の差はあるが、台詞では読み取れない。

 でも、だからこそ、この映画の完成度の高さを感じるのだ。ハンナ役のケイト・ウインスレット、マイケル役のデビッド・クロスとレイフ・ファインズ、彼らの演技は、行間を読む好奇心をかき立ててくれるには充分すぎるほどの出来だ。映画を見ながら、何でだろう、どうしてこういう行動になるのだろう、と思いを巡らしつつ、主人公二人の気持ちを理解しようとする。
 演出としては、前半にはやや露骨なセックスシーンもあり、それで観客の気を引かせておいたのかもしれないが、映画が進むにつれ、そういった類いのキワモノシーンは影を潜め、むしろ坦々と描写しようという姿勢が明確になる。それが、さらに観客の好奇心と探求心を呼び起こす。
 
 そして、映画を見終わった後から、ふつふつと沸き上がるように、ゆっくりと解け出すように、いくつもあった「なぜ」が見えてくる。映画を見おわってから、数日たった今、私のたどり着いたいくつもの「なぜ」の答えは、これ。

(1)文盲(illiteracy)を隠して生きてきたハンナが、人との接触を極度に嫌うのは自然なことであろう。圧倒的な力関係である「坊や」に対してなら行動できる、というのは、(人付き合いの出来ない男と、幼年の女の子、という風に)男と女の立場を変えた性犯罪が頻繁に起きている事実を考えれば、想像に難くない。
(2)自分が恥ずかしいと思っていること、隠したいと思っていることは、何よりも変え難いもの。その秘密をあばかれるくらいなら死を選ぶ人もいる程。戦時中とはいえ、識字率の高いドイツ(それでも戦後すぐは90数パーセントだったらしい)では、どうしても隠したい秘密であってもおかしくはない。
(3)法廷での彼女の受け答えを見たら、(2)を感じざるを得ない。と同時に、ナチスの残虐な行いに、何の躊躇もなく行動したこと(またはそんな発言)に対する嫌悪感も混ざっていたのかもしれない。それはマイケルがアウシュビッツを1人訪れる場面で、感じられた。
(4)書物を読むこと、それはすなわち、人間の知性を磨くこと。それを伝え、さらにハンナへの想いを伝えるには、もう一度自分がreaderとなることが、今できること、だったのだろう。そのきっかけが自身の離婚である、というのは納得がいく。
(5)知性を磨いた彼女に、ナチスの元親衛隊という十字架を背負って、一般社会に戻ることはかなりの重荷であろう。頼れる「坊や」は、もう坊やではなく、(1)時代の力関係は完全に崩れている。残された道は、これ、だったのだろう。

 原作では、行間を読まずとも、ハンナとマイケルの気持ちが読み取れるのかも知れない。ぜひ読んでみたい。

 最後に一言。言葉がドイツ語でなかった点が悔やまれる。 

このレビューは役に立ちましたか?

 

利用規約に違反している投稿を見つけたら、下記のリンクから報告できます。詳しくはこちら

違反報告をする

413件中1件目を表示しています。

[ 前のレビュー | 次のレビュー ]

ユーザーレビューを投稿する

受賞した映画賞

Yahoo!映画がさらに便利に! 映画館機能使い方ガイド
新たに全国のTOHOシネマズのチケットが購入できるようになりました!

ランキング


プライバシーポリシー - 利用規約 - 広告掲載について - ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2010 WELVA CORP. All Rights Reserved.
(C) 2010 Stingray
Copyright (C) 2010 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.