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300k | 1M

グッド・シェパード

総合:
(5点満点中3.50点)
3.50

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グッド・シェパード

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私は羊のために自分の命を投げ打ちます

採点:
(5点満点中4点)

投稿日時:2008/08/22 22:36:34 投稿者:spam_spam_egg_spamさん

役立ち度:6

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spam_spam_egg_spamさん

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  • ・悲しい
  • ・切ない

 CIAに人生を捧げた男の苦悩を描く、3時間近い大作。キューバ危機の頃のピッグス湾事件を題材に、CIAの内部を描く社会派サスペンス・ミステリー映画だ。フランシス・フォード・コッポラ製作、ロバート・デ・ニーロ監督、と大物が名を連ねているのも魅力。
 数多い登場人物、誰もがストーリーに様々な形で関わってくる。それも非常に複雑な形で。信用と裏切り、騙しあい、かけひき。「信じられると思ったことは信じない、信じられないと思ったことが信じられる」という台詞(誰のことばだったか忘れてしまった)が全ストーリーをおおう。どの場面も後のストーリー展開に必ず絡んでくる。ちょっとでも気を抜いたらストーリーに追いつけない。ゆったりとした流れだが、内容的には忙しい映画だ。

 犯人探しのミステリーとしては、実は弱いプロット。かなり早い段階で、情報漏えい者の予想がついてしまう。主人公のエドワード(マット・ディモン)も途中で気付いた(と私は感じた) 悪意のない漏えい。ただ、その漏えいを巡って様々な駆け引きがみられるサスペンスとして見れば、よく練られた脚本だ。フレデリック教授、KGBの亡命者2人を巡る話、ソ連の諜報部員ユリシスとの微妙な関係、長官のアレン(ウイリアム・ハート)の辞任に至る展開、どれ一つ取っても一本の映画になるほどの内容だ。もっとも、あまりに詰め込みすぎたので、頭の中が整理できない、という短所はある。それが「難解な映画」とも取られるだろう。

また、予告編では家族とCIAの職務の間で揺れ動く主人公の様子が見られるのではと感じたが、妻役のアンジェリーナ・ジョリーの登場回数が少なく、存在感も薄い。彼女を起用する意味があったのか、と疑問に思ったのは私だけだろうか。逆に親子(父と息子)の関係には考えさせられる場面がちりばめられていた。
 
 原題The Good Shepherdの意味は、新約聖書ヨハネ福音書10章にある次の一説を引用すると、よく分かる。長いが引用する。

私は良い羊飼いです。私は自分の羊を知り、羊たちも私を知っている。父が私を知っていて、私が父を知っているのと同じです。そして私は羊のために自分の命を投げ打ちます。私には他の羊がいますが、私が囲っているものではありません。その羊たちも私が連れていかなければなりません。そして私の声を聞き、一つの群れ、一人の羊飼いとなります。私の父が私を愛してくれるのは、私が自分の命を投げ打つからです。それは私が再び受け継ぐためなのです。誰も私から取り去ったわけではなく、私が自ら投げうつのです。私はなげうつ権限があり、再び受け取る権限があります。この指令を私は父から受け取ったのです。」(拙訳)

 羊飼いは自分、羊は国家。エドワードは、国家のために人生を捧げる。それは、父に愛されるため。誰より父への愛情に餓えていたエドワード。故に自分が父となり、妻よりも子どもに心を注ぐ。息子は父に近づきたい一心でCIAに入ろうとする。息子の危機に気付き、彼は別の方法で辞任させるターゲットを探し(アレンのスキャンダルを極秘に探すくだり)、息子を助けようとする。羊飼いは父、羊は子どもでもあるのだ。
 そしてエドワードの父も、良き羊飼いだったのだろう。彼は国家という羊のために力を注いだにもかかわらず、疑われ、自ら命を絶つ。 そして、国家のために、エドワードは父と同じ道を歩む可能性があるのだ。彼はそれを噛みしめ、父の遺書を焼き、今日もCIAの任務につくのだ。

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