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17歳のカルテ

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17歳のカルテ

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時代背景が語る精神病の定義

採点:
(5点満点中5点)

投稿日時:2012/02/08 11:35:15 投稿者:ナオ・マリアッチさん

役立ち度:14

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ナオ・マリアッチさん

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  • ・不気味
  • ・恐怖
  • ・勇敢
  • ・知的
  • ・セクシー
  • ・かわいい

精神病とはその判断基準が非常に難しい。

「自分が精神病であるか否か?」

の自覚や理解が出来ているかどうか、が一つの判断基準になる。

自分に自身が持てない、夢と現実が入り混じり

虚しさが心を支配する。

精神病院に入院させられたスザンナ(ウィノナ・ライダー)は

「境界性人格障害」と診断される。

今で言う「鬱病」に近いものだが、

これを病気と言うなら思春期の若者の殆どは精神病である。

このスザンナの「現実」と「夢」

のカット割りの描写が実に精巧である。



入院後、次第に病院が「現実」に思え、

入院患者達に溶け込むスザンナ。

特にリサ(アンジー)の自由奔放な行動に惹かれる様になる。

アンジーはさすがのアカデミー賞助演女優賞である。

精神病の「フリ」の演技は、すざまじいものがある。

このリサも自分を強く見せる事で、

自分がイカれない様にする為の自衛をしている内に

病院と言う殻から抜け出せなくなる。

何が正常で、何が異常なのか?

世の中への疑問を深める若者達。


注目したいのは、「60年代後半」

の反社会性が時代背景にあると言う事である。

60年代後半と言えば、伝統や制度に縛られた

社会生活を否定する事を信条とした、ヒッピーや反戦思想の時代。

つまりその時代背景を「精神病」と言う形で描写しているのである。

世の中に馴染めない、逃避したい若物達。

この映画に登場する女性達はよくタバコを吸う。

と言うか、メチャクチャ吸ってる!

アンジーなんかタバコ吸うシーンばっかりや!

病院と言う檻の中で、未成年の少女達がタバコを吸う・・・

ベイリウムやアスピリンなどの薬を欲しがる・・・

これは彼女達なりの世の中への反抗とも受け取れる。

そして時代背景にある世の中が、

彼女達を入院へと追い込んだとも考えられる。

それはラストの「70年代には入院患者の殆どが社会に戻った」

と言う内容から、

彼女達の大半は「精神病」ではなかったと推測出来る。

それはスザンナやリサの行動を見ても分る。

異常ではなく「異常なフリ」をしている様に見えるのである。

少しでも異常な行動や言動を取ると異常者に仕立てられる。

それが世の中に対する不信や逃避を生み、

彼女達の精神を追い込んだのだろう。

そして自立、自覚症状が「告白」と言う形で認められれば

退院出来るのである。

つまり「私は世の中に順応します」と宣言すれば、

退院出来るのである。

実に時代背景がよく描写された映画だと思う。




そして時代背景と言い、精神病を扱った題材と言い、

噂通り「カッコーの巣の上で」と非常に設定や内容が似ている。

カッコーを鑑賞された方は、「ああ〜あの時のシーンやな」

と思うシーンが随所にあるだろう。

カッコーは男性病棟の設定で、かなりヘビーな内容の映画である。

本作は女性病棟で主人公が17歳の設定で、

カッコーと比較するとライトな雰囲気で

入院患者の少女達の友情部分が描写されているので

ラストもすっきりと観れる。


いずれにせよ若者達が不満を持ったり、悩んだり、

現実逃避しない様な世の中にしたいものである。

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