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戦場のピアニスト

総合:
(5点満点中4.17点)
4.17

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原題: THE PIANIST

製作年度: 2002年

別題: −

製作国・地域: フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス   上映時間: 148分

allcinema ONLINE(外部リンク)

戦場のピアニスト
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解説:  1939年9月、ポーランド。ナチス・ドイツが侵攻したこの日、ウワディクことウワディスワフ・シュピルマンはワルシャワのラジオ局でショパンを演奏していた。街はドイツ軍に占拠され、ユダヤ人をゲットー(ユダヤ人居住区)へ強制移住させるなどの迫害が始まる。シュピルマン家も住み慣れた家を追われる。ゲットー内のカフェでピアノ弾きの職を得た彼は、様々な迫害に遭いながらも静かに時をやり過ごす。しかし、やがて一家を含む大量のユダヤ人が収容所へと向かう列車に乗せられる。その時、一人の男が列車に乗り込もうとしていたウワディクを引き留めた。(allcinema ONLINE)

映画レポート

「戦場のピアニスト」食べるものもピアノもないピアニストはいかに生き延びたのか
「戦場のピアニスト」食べるものもピアノもないピアニストはいかに生き延びたのか
  ポランスキーの作品の根底には常に恐怖がある。それは厳密に言えば、不条理な侵入者によってもたらされる、不条理な恐怖だ。 そこにはおそらく幼少期のゲットー体験があり、監督になってからは妊娠中の妻をマンソン・ファミリーに惨殺されるという反復もあった。だがポランスキーは、初期の短編を除いて、その恐怖の原体験を直接描くことはなかった。
『戦場のピアニスト』は、70歳を目前にした彼が、ポーランドの名ピアニスト、W・シュピルマンの回想録に基づいて、ついに「あの時代」に正面から取り組んだ大作だ。昨年、カンヌでパルムドールを受賞した際は「長年の功労賞」的意味もあると報じられたが、見ればやはり戦慄する。そして知るのだ。『シンドラーのリスト』がいかに概念的なものだったか。この映画には実際の体験者でなければ描き得ない、不条理な恐怖が横溢している。
 それは、足の悪い老人がベランダから車椅子ごと投げ落とされ、親衛隊に質問しただけで射殺され、生活の場にゴロゴロと死体の横たわる理不尽な「日常」だ。主人公のシュピルマンは家族とともにゲットーに移住させられ、収容所送りの寸前に一人だけ脱出する。彼は転々と各地に隠れ住み、『ナインスゲート』のように次々と訪れる危機をクリアして、生きて生きて生き延びる。
 その間、むろんピアノは弾けない。飲食物と同時に演奏にも飢えた主人公が、想像のピアノ演奏をする場面は、この映画の白眉だろう。そして結局、そのピアノが彼を救うことになる。ユダヤ人のなかにも悪を、鬼畜同然のナチスのなかにも人間性を描いたこの映画は、「鬼才」ポランスキーを期待すればあまりに正統だ。だが、その背後にある肖像――長く曲がりくねった道を経て「映画」によって救われた一人のユダヤ系監督と、ピアノも映画ももたずに散った幾百万の人々の肖像を見るとき、やはり言葉を失うのだ。 (田畑裕美)(PREMIERE)

[2003年02月20日 更新]

「戦場のピアニスト」─怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう
「戦場のピアニスト」─怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう
ナチス政権による虐待の嵐の中を奇跡的に生き延びた、ユダヤ系ポーランド人ピアニスト。彼は実在の人物で、ポーランドを代表するピアニストであり作曲家でもあるのだが、彼のサバイバル物語となるはずのこの映画の中で、彼はほとんど何もしない。周囲の人々に助けられるばかりで、ピアノを弾く才能以外、彼には悪条件下を生き抜く生活の知恵も、気力も、勇気も何もないのである。
だから彼の奇跡的な生還は、そのピアノ演奏の才能を神に愛されたとしか言いようがないのだが、一方で、彼を助けた周囲の人間たちは、ことごとく死ぬ。言い換えれば、彼らをいけにえにして彼だけが生き延びたのだということにもなる。数しれない死骸の上に、たった1人立つピアニスト……。

そんなイメージが、廃墟と化したワルシャワの街で呆然とする主人公のショットへ繋がっていく。世界の果てまで続くかと思われるその空虚な広がりと共に、彼のピアノはある。神の愛と死者たちの叫びが、それには込められているのだ。だから映画の最後に延々と映されるピアノを弾く彼の指先のショットは、神の手さばきであると同時にゾンビたちのダンスのようにも見える。怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう。(樋口泰人)

日劇1ほか全国東宝洋画系にて公開中

[eiga.com/2月18日](eiga.com)

[2003年02月18日 更新]

受賞した映画賞

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